カメを飼育していると、「栄養豊富な旬の野菜をたくさん食べさせてあげたい」と思うのは飼育者として当然の優しさです。しかし、人間にとっては健康に良いほうれん草も、カメの特殊な体質には合わない成分が含まれています。
結論からいうと、カメにほうれん草を日常的に与えるのはおすすめできません。
「一口食べたらすぐに毒になる」というわけではありませんが、積み重なるとカメの命ともいえる「甲羅」や「内臓」に大きなダメージを与えるリスクがあるからです。
カメの骨と甲羅を弱くする「カルシウム泥棒」

カメにとって最も大切な栄養素は、頑丈な甲羅や骨を作るための「カルシウム」です。ほうれん草には、このカルシウムの吸収を邪魔する「シュウ酸(しゅうさん)」という成分が非常に多く含まれています。
- 吸収をブロック: シュウ酸は体の中でカルシウムと合体して、体に吸収されない形に変えてしまいます。
- 甲羅が柔らかくなる: カルシウムが足りなくなると、甲羅がブヨブヨに柔らかくなったり、形がゆがんだりする「代謝性骨疾患(MBD)」という恐ろしい病気の原因になります。
せっかく栄養を考えて野菜をあげても、カメの体を支える大切な骨を弱くしてしまっては本末転倒です。
内臓に「石」ができるリスク
シュウ酸のリスクは骨だけではありません。体に取り込まれたシュウ酸は、出口(尿路)で再びカルシウムと結びつき、硬い「結石(けっせき)」を作ってしまうことがあります。
- 激しい痛み
おしっこの通り道に石が詰まると、カメは大きな痛みを感じ、食欲がなくなってしまいます。 - 手術が必要になることも
自力で石を出せない場合、甲羅を切開するような大きな手術が必要になることもあり、小さな体には大変な負担になります。
もし「うっかり」食べさせてしまったら?
「知らずに少しあげてしまった」という場合でも、すぐにパニックになる必要はありません。一回食べただけで即座に病気になるわけではないので、まずは落ち着いて以下の対応をしましょう。
- 水分をしっかり摂らせる
お水を飲ませたり、ぬるま湯で温浴をさせたりして、おしっこと一緒に悪い成分を外に出しやすくしてあげましょう。 - 様子を観察する
数日間、元気に動いているか、食欲はあるかを確認してください。
【保存版】OK野菜・NG野菜の比較一覧表
カメのご飯を選ぶときに便利なリストです。ブログの読者さんもぜひ参考にしてください。
| 分類 | 野菜名 | 特徴と与え方のポイント |
| ◎ メインに最適 | 小松菜 | カルシウムが豊富でシュウ酸が少ない、カメにとっての理想食。 |
| クワの葉 | 野生のカメも食べるスーパーフード。甲羅を強くします。 | |
| 大根の葉 | 普段は捨てがちですが、実はカルシウムの宝庫です。 | |
| ○ 混ぜてOK | チンゲン菜 | ほうれん草に似ていますが、シュウ酸が少なく安心です。 |
| カブの葉 | 栄養価が高く、小松菜とのローテーションに最適。 | |
| △ 注意が必要 | モロヘイヤ | 栄養満点ですが、必ず「葉」のみを与えてください(茎・種は厳禁)。 |
| キャベツ | あげすぎると甲状腺に影響が出ることがあるので、たまに混ぜる程度に。 | |
| × 基本はNG | ほうれん草 | 【シュウ酸が多い】 カルシウムを奪い、結石の原因になります。 |
| ネギ・ニラ | 【中毒のリスク】 血液を壊す成分があるため、絶対に与えないでください。 |
▼生野菜が手に入りにくい時期でも、シュウ酸のリスクを気にせず安心して与えられる保存食。栄養バランスが計算されているので安心です。
カメの「ごきげん」な毎日のために
カメの食事管理は、長生きさせるための第一歩です。「ほうれん草はカルシウムを奪ってしまうもの」と覚えて、代わりに小松菜やチンゲン菜など、カメの体が喜ぶ野菜を選んであげてくださいね。
皆さんのカメさんが、明日もカチカチの立派な甲羅で元気に過ごせるよう応援しています!
▼効率よくカルシウムを補うための必須アイテムはこちら


コメント